先週にハロンガス消火設備の点検に行ってきたのでご紹介させて頂きたいと思います。
説明があまり上手くないですがご容赦下さい。
ハロンガス消火設備点検
ハロンガス消火設備とは、火災時に「ハロン」と呼ばれる消火剤を噴射して消火を行う設備のことを言います。
ハロンというのは、冷却作用と燃焼の抑制効果をもつガス物質です。
消火設備に使用されるハロンにはいくつかの種類があり、中でも「ハロン1301」と呼ばれているものは消化能力が非常に優れ、人体への毒性も少ないことから、少し前までは理想的な消火剤として建物の消火設備に採用されていました。
ハロン1301にはデメリットがあり、オゾン層を破壊してしまう性質をもっています。
環境汚染の問題から1994年に製造が中止になりました。
消火活動において二次被害とは、水や粉末などで消火することによって、水損、汚損、圧力上昇、冷却などによる破損が該当します。
また、消火活動によって薬品や放射線物質などが周囲に散布されることによる汚染の拡大も二次被害に該当します。
ハロゲン化物消火設備を設置するには、消火活動によって周囲に大きな被害が及ぶ場所かどうかが重要です。
重要文化財や美術品がある場所で火災が発生する可能性がある場合も、ハロゲン化物消火設備が役立つと思われます。
公共施設、重要インフラ施設など、火災が発生した場合にすぐに消火して早期復旧を行う必要性がある場所であれば必要要件を満たす可能性が高いです。
消火活動に時間がかかるほど多くの人に迷惑がかかり、それによる被害総額も上がり続けてしまいます。
素早く消火を行うためには、ハロンガス消火設備が必要になるでしょう。
ハロン1301消火設備の主なメリットをご説明させて頂きます。
・ガスが安定している
ハロゲン化物消火設備で使用されるハロン1301は化学的に安定したガスなので、油を使用している機器や金属類、電気絶縁体が使用されている場所で使用しても化学変化を起こしません。
・消火能力に優れている
ハロン1301は消化能力に非常に優れているため、少ない薬剤量で消火できます。
薬剤量が多いと消火剤を吸い込みやすくなるため、人体に何らかの影響を及ぼす可能性があります。少ない薬剤量で消化できるのは、自身の安全を確保しやすいです。
・気体なので細かい隙間でも浸透する
ハロン1301はどんな隙間にも入り込んで浸透していくため、立体的な対象物の消火活動を行う場合でも内部までしっかりと浸透します。
・消火活動後の汚染が非常に少ない
ハロン1301は対象物を汚損させないため、消火した後の清掃を行う必要性がありません。
その為、消火後はすぐに機器が使用できるので早期復旧が実現します。
・絶縁性に優れている
ハロン1301が電気による火災に適しているのは、電気の絶縁性に優れているからです。
電気による火災はハロン1301を使用するのが最適解の一つだと言えるでしょう。
・半永久的な保存が可能
ハロン1301は化学的に安定しているため、超時間が経っても変質しません。
したがって、半永久的に保存できるのがポイントです。
・寒冷地で使用可能
ハロン1301は寒冷地でも使用できるのがポイントです。
寒冷地で火災が起きると気温が低いので消火活動に手間取ることがありますが、ハロン1301であれば問題なく消火活動ができます。
ハロン1301のガスは現在生産されていません。
ですが 消火剤としての能力が非常に高いことや、オゾン層破壊物質であるなどの理由により、ハロン1301ガスは消防環境ネットワーク(以前はハロンバンク推進協議会)と呼ばれるハロンガスの管理団体により管理されることになっています。
この消防環境ネットワークでは既設のガス系消火設備(二酸化炭素や窒素、ハロン全て)を登録・データベース化して、ガス系消火剤のみだりな大気への放出によるオゾン層破壊や温室効果ガスの排出抑制等も行っています。
また、既設ガス系消火設備を撤去する場合には消防環境ネットワークに連絡をして消火用ガスの回収を依頼します。
クリティカルユース???
あまり聞きなれないこのクリティカルユースという言葉は、クリティカル(必要不可欠な)、ユース(使用)ということです。
ハロン1301ガスはオゾン層破壊物質ですので大気への放出は厳禁ですが、火災などに対して放出するのは必要不可欠な使用ということで認められています
よく、ハロン1301ガスはオゾン層破壊物質だから新設は出来ないという誤解がありますが、クリティカルユースの要件を満たせば新設や増設、補充などをすることができます。
クリティカルユースの要件を満たしているなら、上記でも紹介した消防環境ネットワークに連絡してハロン1301ガスの設置を依頼します。
ハロン1301消火設備を新設するには以下の要件を満たす必要があります。
(1)人命安全
不特定の者の出入りがある場合。
特定の者が常時介在、又は頻繁に出入りする場合。(1日2時間程度以上)
(2) 消火剤の適性
電気絶縁性や散水障害など(水系消火設備が適さない。)
設置部分の面積、体積、用途(危険物、指定可燃物、火気設備等)
(3)二次被害の防止
水損、汚損、破損(圧力上昇、冷却など)
汚染の拡大(薬品、放射性物質など)
(4)早期復旧の必要性
公共施設、重要インフラ施設など
(5)設計上、経済上の負担
施設規模等から水槽等を設けることが過大な負担である。
施設構造等から避圧口、避圧ダクト等を設けることが設計上困難である。
同一施設内の他の部分にクリティカルユースに該当しハロン消火剤を設置する
部分がある。(他の消火設備を別に設置させることが過剰な費用負担となる。)
要点としては人の出入りのある部分である。(二酸化炭素放出などが適さない。)
水系や粉末系消火設備が適さない。(感電や薬品などの流出)
火災の復旧に時間をかけられない。
建物の構造などにより他のガス系消火設備を設置できない。
防護対象物の用途にもよる(通信機器室、美術品保管庫、研究試験室など)。
既設のハロン1301消火設備はクリティカルユースを満たしているとみなされる。
などになります。


上記の写真は点検の最中に撮ったものです。
普段見掛けないような消火設備や消火器具等がありましたらご紹介させて頂きます。

